エルミタージュ美術館 コレクション
（その６）
（その６）
（撮影日：２０１４年１月６日）
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『女優アントニア・サーラテの肖像』
| 作者; ゴヤ 1810-1811年頃 この画のモデル、女優アントニア・サーラテはゴヤと親しかったらしく二度モデルを務めました。ここでは髪に白いボンネットのようなものをかぶり、長いレースの帯を首のところで結び、その端を豊かな胸に垂らしてなかなか粋な姿です。闇を背に際立つその姿は確かな存在感誇り、内からにじむスぺイン女らしさが胸を打ちます。頭に三日月の飾りが見えますが、それは狩の女神で純潔の象徴ディアナに擬してポーズをしたのでしょう。 |
『鞭を持つ子供』
| 作者; ルノワール 1885年 ルノワール特有の明るく輝かしい色彩と筆触が十分発揮された作品で、アルジェリア旅行後の作品です。衣装と背景との輪郭のあいまいな、色彩が融解するような描き方に対して、子供の顔はくっきりと描き出され、「古典主義の時代」への移行を示しています。一見少女のように見えるモデルは、グージョン博士の末息子当時五才のエティエンヌです。娘のマリーの肖像画はワシントンのナショナル・ギャラリーにあり、この作品と同じように明るい陽光の中、輪回し用の大きな輪を持った姿で描かれています。 |
『扇子を持つ娘』
| 作者; ルノワール 1881年 1881年アルジェリアを訪れたルノアールは、オリエントの輝かしい色彩に触れ、以前にも増して明るく、強烈な色彩を試み始めました。フランスのレストランの主人の娘「アルフォンシーヌ・フールネルーズ」を描いたこの肖像画にも、背もたれの橙色と壁の黄色との対比などに、この頃の画家の色彩に対する意識が伺えます。 |
『十字架降下』
| 作者; レンブラント 1634年 レンブラントが1630年代に描いたキリストの受難シリーズの一点です。同じ主題を描いたルーベンスの有名な作品を意識していることは明らかです。ルーベンスと比べ、レンブラントの方がより実写に徹し、また劇的な明暗の効果が主題の悲劇的感情をいっそう高めています。レンブラント28才の時の作品です。 |
『赤い服の老人の肖像』
| 作者; レンブラント 1652-1654年頃 レンブラントの肖像画の多くは、（向かって）左側から光が当たり、従って右側は影が多くなりますが、この作品はその典型的な例の一つといえます。しかもこの老人の顔に見える明暗の交差は、そのまま彼の人生におけるそれの象徴のようです。着ているものも極めて質素で、このモデルが所謂名士あるいは名門の出とは思えませんが、椅子にどっかりと腰を下ろした風采には犯しがたい気品と威厳が感じられます。肖像画の場合、手をどう描くか（あるいは描かないか）も大きな問題ですが、しっかりと組まれた、年輪を感じさせる大きな手も、ここでは顔に劣らない表現ポイントとなっています。 |
『訪問』
| 作者; パブロ・ピカソ 1902年 この作品は、ピカソ自身の手紙から、サン・ラザールに収容された娼婦の妹を見舞う尼層を描いたものとされています。ですが、画面自体からはそうした状況は説明されていません。シンメトリーに近く、二人の女は生きていることを恥じるかのように、我が身を青衣で覆い隠しています。暗く神秘的な青一色に染め上げられた画面の中で、仮面のようにこわばった尼層の表情が謎めいた印象を残しています。 |
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エルミタージュ美術館（美の伝道エルミタージュー）
